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放送を語る会の NHKは「ETV2001」制作経過における誤りを認め、視聴者への説明責任をはたすべきである。 ~BPO「意見書」についての放送を語る会見解~ を転載します。 NHKは「ETV2001」制作経過における誤りを認め、視聴者への説明責任をはたすべきである。 ~BPO「意見書」についての放送を語る会見解~ 2009年4月30日 放送を語る会 4月28日、放送界の第三者機関であるBPOの放送倫理検証委員会は、NHKの番組「ETV2001 戦争をどう裁くか 第2回 問われる戦時性暴力」に関する意見書を発表しました。 この番組について、裁判は終了したが、制作過程でのNHKの行為が放送倫理上重大な問題をはらむ、として、昨年9月にNHK有志とOBが、10月には当放送を語る会の呼びかけで、市民、有識者が、BPOにたいし審理するよう申し入れていました。 今回の意見書は、これらの要請をきっかけに、検証委員会が独自に討議、審議を重ねて決定したものです。 全文はBPOのホームページに公表されています。その中で注目される主張は以下のようなものです。 第一に、意見書は、NHKが、制作過程で、官房副長官の地位にある政治家に、事前に番組の説明を行なったこと、政治家と日常的に接している部門の幹部職員が、番組制作に介入したことをあげ、これらの行為を、自主・自律の理念を揺るがし、視聴者からの疑念を招き信頼を裏切る行為であると厳しく批判しています。 第二に、番組の質を放送倫理の観点から問題にしています。幹部職員によって機械的な公平、公正の考え方や「削除したほうが安全」などといった判断で改編、削除が繰り返されたと指摘、「放送人の倫理として、当然めざすべき質の追求という番組制作の大前提をないがしろにするものであった」と指摘しました。 第三に、改編過程の最終段階で、幹部の業務命令と、現場制作者の良心が正面から衝突していると述べ、NHK内部の自由について議論するよう呼びかけています。 以上のように意見書は、この番組の制作過程におけるNHKの行為を厳しく批判し、視聴者へのていねいな説明を求めるものとなりました。申し入れの当事者の一員である当会としては、この意見書を歓迎するとともに、NHKがこのBPO決定を真摯に受け止め、その姿勢を変えるよう要求します。 意見書は最後に、NHKで今働いている放送人たちへ、「当該番組の制作・改編過程をNHKの説明文書と本意見書を付き合わせ、みずからたしかめ、考えていただきたい、」と述べ、「とくに若い放送人たちが旧来の閉じた態度から一歩を踏み出し、考え、議論し、獲得した教訓を番組その他どのような形であれ、視聴者に明らかにするよう、希望する」と結んでいます。 この人間的な呼びかけに応えることが求められていますが、NHKは依然としてこの番組の経過には問題がなかったという態度を崩していません。そればかりか、政治家の圧力について告発し、また法廷で証言した二人のプロデューサーにたいし現場から外す報復人事を過去に行ないました。その後の局内の状況をみても、BPOが求めるような、NHK内部での自由な議論が行なわれる環境があるとはいえないでしょう。 しかし、意見書が公表された今、NHKは過去の見解を大胆に見直し、職場での検証、討議の公的な機会を大規模に保障すべきです。そのためにも当該番組を含むシリーズ「戦争をどう裁くか」4本を、視聴者も含め誰でも視聴できるようにすることは欠かせません。 いま、台湾統治の歴史を扱ったNHKスペシャル「JAPANデビュー」第1回に対し、右派政治家を含む勢力から猛烈な攻撃がかかっていると伝えられています。こうした政治の圧力から放送の自主・自律を守るうえでも、BPO意見書について職場が学び、考え、自らを鍛えることは、現在のNHKにとって緊急の課題だと言わなければならないからです。 BPO意見書は、問題の番組に関するこれまでのNHKの説明や、コメントを「閉じた態度」と評しました。私たちは、NHKの現場で働く人びとが、問題の番組の制作経過から教訓を学び、共有することを通じて、経営者の頑なな姿勢を変える努力をするよう期待し、求めるものです。
by ywatari4
| 2009-05-07 12:21
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