ETV特集
沖縄基地問題を読み解く(仮)
4月25日(日)午後10時~
教育テレビ
現在、日米間に横たわる問題のひとつ――普天間飛行場移設問題。本土と沖縄では基地の問題意識、そして安全保障への姿勢には大きな断絶がある。この断絶に鋭く切り込んで沖縄に立場から基地問題について発言を続ける男がいる。大田昌秀84歳、元沖縄県知事である。
大田は政界引退後、研究者として度々渡米し資料を集め、基地問題を根底から考えようとしている。その一方で、全国を行脚し、講演活動を通じ基地問題の実態を訴えている。根源にあるのは一貫した素朴な怒りだ。「戦で多くの犠牲を払った沖縄がなぜ、日本の基地の大半を引き受けないといけないのか。捨て石にされた沖縄戦の構図と全く一緒」。
三月、活動の合間を縫って、大田は三人の男と向き合った。橋本政権で、沖縄担当の首相補佐官として激しく火花を散らした岡本行夫とは10数年ぶりに再開、日米安保のあり方を討論した。大田県政を批判して当選した、宿敵の稲嶺恵一とは知事選以来、初めて顔を合わせ、基地問題の苦悩を共有した。沖縄人(ウチナンチュウ)の立場から鋭い発言を続ける作家目取間俊とは基地から見える本土(ヤマトゥ)の差別意識を確認しあった。
三人の対話を軸に、民主党政権で日本人みなが正面から向き合わざるを得なくなった「日米の対等な関係」と沖縄にしわ寄せされた「米軍基地や核の傘に依存した安全保障」の矛盾を浮上させる。