辺野古で事態が急迫しているようです。
JCJ機関紙「ジャーナリスト」に連載中の「沖縄リポート」の4月号分を転載します。
オスプレイの画像
オスプレイ沖縄配備を隠蔽
墜落繰り返す「空飛ぶ棺桶」
4月5日の地元2紙はいずれも1面トップで、1996年12月のSACO(日米特別行動委員会)最終報告草案において米軍普天間飛行場代替施設(辺野古新基地)へのオスプレイ配備が明記されていたことを報じた。
米海兵隊の次期主力兵員輸送機として開発された垂直離着陸機オスプレイは、開発途中に墜落を繰り返し、これまでに30人の兵士が犠牲になっている欠陥機だ。米国では「空飛ぶ棺桶」とも呼ばれているという。
その配備に地元をはじめとする沖縄からの反発を予想した日本政府の意見で、日米の既定方針であるにもかかわらず最終報告からオスプレイの文字は削除され、政府は一貫して配備計画を隠し続けてきた。
辺野古新基地と連動する形で、政府が7月にも着工を予定している海兵隊北部訓練場のヘリパッド新設に関する地元(東村高江)説明会が3月19日に行なわれたが、そこでもオスプレイ配備への地元民の強い懸念に、那覇防衛施設局は「米軍からは聞いておりません」と繰り返すのみで、住民らの怒りに油を注いだ。 辺野古・大浦湾沿岸への新基地建設を急ぐ政府が、手続きに時間のかかる環境アセスメントを飛び越えて、アセス前の環境現況調査(事前調査)を行なおうとしていることは前回述べたが、政府は3月27日、海域使用のための「公共用財産使用協議書」を沖縄県に提出し、調査を請け負う4業者の選定も3月末までに済ませた(調査費総額25億7670万円)。
国会において、事前調査内容の開示を求めた県選出議員に対し、久間防衛相は、阻止行動に利用されると困るとの理由で開示を拒否。防衛施設局も県当局も同様の姿勢で、国民・県民の知る権利を踏みにじっている。
嘘と隠蔽で塗り固め、住民をだまし続けなければ造れないのが、軍事基地の本質だ。説明責任、住民参加などを精神とする環境アセス法に違反する事前調査も、事実が明らかになってもなおオスプレイ配備を認めようとしないのも、根は一つだ。
参議院補選後にも予想される事前調査の開始に向けて、やんばるは再び風雲急を告げている。
浦島悦子(フリーライター、沖縄やんばる在住)