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JCJ贈賞式のスピーチのまとめ。最後は中村梧郎さん。世界中の水銀汚染が深刻なことはあまり報じられないように思います。
JCJ大賞は〈新聞長期企画と写真集〉『水俣病50年』の熊本日日新聞が受賞。編集局社会部次長の山口和也氏と写真集を編集した同編集本部編集一部長荒木昌直氏に賞状、記念品を手渡した中村梧郎JCJ賞選考委員のスピーチです。 50年というとてつもなく長い時間、水俣病患者のごく一部しか救済されないままきた歴史的事実がある。それに熊本日日は全力を挙げて取り組んだ。 まだ認められない患者にすれば、50年も49年も51年も変わらないというのを連載の機軸において、今年は51年目だが連載はまだ続いている。そういう粘り強さがジャーナリズムの中に無くなってきている中で、熊本日日らしい凄い仕事だ。 水俣病患者は高齢化が進み、未認定患者が2万人、あるいは20万人という説もある。不知火海全体の住民調査をしっかりやれば、4、50万に達するだろう。そうしないと全体像は見えてこないという見解もある。 水俣病は、世界中の各地にあることがわかっている。私も水俣病患者と一緒に中国へ取材にいったことがある。中国の汚染ばかりでなくアメリカ先住民の中での汚染もある。そういう視点を持って、水俣病の全体像をつかもうというのが、今度の連載企画だ。 水俣病、水銀汚染にどう対処していくのか。世界で日本がリードする立場にある。ところが実際はわずかしか患者を認めない。この前の最高裁判決があっても厳しい水俣病認定基準を変えようとしないところからすると日本は遅れている。 認定基準ばかりでなく環境基準も問題だ。妊産婦がどれぐらい毛髪の中に有機水銀があれば危険かというリスク評価があるが、日本はアメリカの10倍も緩い。アメリカは1,1ppmに対し、日本は11ppmまで安全だとしている。そんなバカなことはないけど、そうしないと日本中が危険水準に達するということで高いところにラインを置いている。 だから日本では水俣病対策をリードできない。逆にEUから規制を守れと言われている恥ずべき状態がある。 最初は劇症型の水俣病患者が問題になったが、慢性微量汚染が恐い。自分では汚染されたことも気づかないが、だんだん蓄積され、次の世代に影響がある。死産・流産になってしまう。日本では水俣地域の流死産率は他の地域の倍だそうです。それはなかなか写真には撮りにくいが、そういうものにも目を向けていかなければならない時代に入っている。 今度の連載で学んだのだが、熊本学園大学の原田正純さんが、水俣病がここまで長引いたのはメディアの責任が大きかった。有機水銀中毒の問題が起こったときに、「いやアミンが原因で、ものが腐った時の物質で中毒を起こしているのだ」と東工大の先生がいう。それにメディアが飛びつく、また「水俣湾に投げ込んだ爆弾のせいだ。第二次大戦で余った兵器を投棄してそれが溶け出したのだ」という説が出るとそれを報じる。 それらの荒唐無稽な異説を、有機水銀説と公平平等に扱って報じる。その結果、必ずしも有機水銀のせいではないじゃないかという世論が出て、患者が見舞金だけで諦めるというところに追い込んだ。そうしたことがこれまで何回もあった。水俣病はもう終わったという報道がなされた。でもまだまだ終わっていない。 私は先月、水俣にいった。昔いったときにはがめのくびという、百間港のところは水銀ヘドロがいっぱいだった。先月いたっときにはその地域がきれいな公園になって子どもたちが野球をやっている。結局ヘドロの上から土をかぶせた。封印したのではなくて蓄えただけ。海の側に鋼矢板をいれてあるが、鉄だからいずれ腐食して穴が開いてヘドロは流れ出る。水俣病の患者に対する対策も環境対策も、まだ何にも終わっていない。これからも熊本日日は追及報道を続けるだろう。熊日がやってくれないとどうしようもない。
by ywatari4
| 2007-08-21 12:31
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