機関紙「ジャーナリスト」09年5月号から転載します。
報じられぬ日米軍事融合
現場記者がえぐる米軍と自衛隊
憲法メディアフォーラム開設4周年記念シンポジウムは5月9日、「自衛隊・米軍報道を検証する」という時宜を得たテーマで開催された。
東京新聞の半田滋氏と琉球新報の松元剛氏が特別報告。練馬にある自衛隊の広報施設を批判したビデオ上映の後、豊秀一MIC議長の司会で、半田、松元両氏にジャーナリストの三宅勝久氏を交えてパネルディスカッションが行われた。
海上警備の実態 半田滋氏
3月末に呉基地から2隻の護衛艦がソマリア沖に出動した。当面の措置で自衛隊法を根拠にしている。これまでの海外派遣は特別立法を作り、その国会審議の過程で計画の妥当性が問われ、実施計画が閣議決定され国民に知らされてきた。
今回は規定がなくエンドレスの派遣だ。
スエズ運河へ向かうためアデン湾を通る船は年間2千隻で、1回10隻ほどの警護を見込んでいた。しかし、これまで護衛艦が往復4日、15回の警護活動で警護した船は2・9隻だ。世界経済不況で自動車運搬船やコンテナ船の運航が激減した。航海計画の都合で日本船籍の船が外国の警備活動に便乗するケースも多い。 日程に余裕があれば、スエズ運河の運航料との見合いから、経済速度で喜望峰を回る航路を選ぶ場合もある。
外国船籍の船は護衛できないが実際には、外国船が便乗することもある。
現行法では武器使用が正当防衛しかできないという報道はミスリードだ。
実際は外国船でも間に割って入り自分が攻撃を受ける立場になれば、正当防衛で武器使用できる。
対象を守るための行動は「かけつけ警護」。自衛隊の海外派遣は「かけつけ警護」の連続だ。
自衛隊の武器使用基準は相手が海賊だから緩い。国家やそれに準ずる団体と違い、海賊は私的団体だから交戦権の行使に当たらないと政府はしている。
海上保安庁派遣が無理だとされる理由は3つ。
一つは海賊の武器が重火器。二つ目は欧州諸国が海軍を出している。三つ目は距離が遠い。しかし海保には「しきしま」などヘリ搭載可能な大型巡視船が10隻ある。また欧州各国には海保に当たる組織がない。
当初、自衛隊は派遣に消極的だった。アメリカの態度が変わって自衛隊もやる気になった。
ジブチに対潜哨戒機を2機送り、それを守るため陸上自衛隊も派遣される。中東アフリカ沖には補給艦。陸海空合わせて千人の部隊が自衛隊法を根拠に派遣される。