ジャーナリスト09年8月号から、沖縄リポートを連載します。
沖縄は生物多様性の宝庫
市民のネットワーク発足
浦島悦子
7月25日、沖縄・生物多様性市民ネットワークの結成大会が沖縄市内で開かれた。来年10月、生物多様性条約(CBD)第10回締約国会議(COP10)が、日本を議長国として名古屋で開催されるが、COP10に向けた地域レベルの市民運動が、全国に先駆けて沖縄からスタートした意義は大きい。
世界192カ国が加盟するCBDは「地球に生きる生命(いのち)の条約」とも言われるように、人類の生存基盤である生物多様性の保全だけでなく、その持続可能な利用と公正な配分をめざしている。国家間の条約ではあるが、その目的を実現するには市民社会の参加が不可欠だ。
沖縄は生物多様性の宝庫と言われる一方で、戦争・米軍占領を経て、さらに日本復帰後の破壊的な乱開発にさらされ、多くの問題を抱えている。その沖縄の声を世界へ向けて発信していこうと、県内のさまざまな市民団体・個人が会合を重ね、結成にこぎ着けた。
「『生物多様性って何?』からはじめよう」と題した結成大会では、国際自然保護連合(IUCN)日本委員会の事務局担当職員であり、CBD市民ネット(COP10に向けた日本の市民の窓口として1月に結成された全国組織。この日の結成大会を共催)の運営委員も務める道家哲平氏が「生物多様性条約と市民の取り組み」と題して基調講演し、CBDの目的と意義をわかりやすく解説。CBD事務局長ジョグラフ氏のDVDメッセージも届けられた。
その後の結成総会では、沖縄・市民ネットのキーワードである「環境」「平和」「人権」の各分野から1人ずつ、3人の代表を選出した。会場には、それら各分野で活動する多彩な顔ぶれが一同に会し、熱気が溢れた。
会場の内外では、泡瀬干潟を守る運動、米軍基地建設に反対し辺野古・大浦湾の海を守る運動、やんばるの森と暮らしを破壊するヘリパッド建設に反対している東村高江の住民をはじめ各市民団体のブースが設けられ、また各現場からの1分間メッセージも行われた。
同ネットは今後、県内でのイベント等による世論喚起、COP10会議への参加、CBD事務局やCOP10参加者の沖縄への招聘などを目標に活動を展開する。