沖縄密約の公開を求める行政訴訟。1日に吉野文六元外務省条約局長と我部政明琉球大学教授の証言があるので、傍聴に並びました。300人近くの希望者があって抽選でした。抽選に外れたので時間をつぶして、夕方から弁護士会館で開かれた報告集会に行きました。
報告集会では代理人の日隅一雄、小町谷育子両弁護士が、証言内容を簡単に報告。そのあと原告となった人たちが感想を述べました。
吉野証言の内容は、マスメディアでも昨日、大きく報道されましたから、ここでは印象に残った原告の発言をいくつか紹介します。
外務省の文書をもとに国会質問した社会党の横路議員の秘書だった北岡和義氏は、質問した後、吉野氏が横路議員のところにやってきて、議員が示した文書を見せてくれと言ったときに、横路議員を押しとどめて文書を渡さないようにしたと語りました。
作家の澤地久枝さんは、吉野氏が、密約文書を暴いた元毎日新聞記者の西山太吉氏とは別の意味で、ずっと密約問題を背負ってきたのだろうと感慨を述べました。法廷では、吉野氏と西山氏が握手する歴史的光景があったそうです。
西山太吉氏も原告団の一人です。西山氏は、情報公開法、公文書管理法などを国は作ったが、運用実態が国民の知る権利に応えていないことを批判しました。
沖縄からは新崎盛暉沖縄大学教授が参加しました。新崎氏は、密約問題は沖縄問題ではなく、日本のジャーナリズムの問題だといいます。
原告共同代表の桂敬一氏は、密約が明らかになった当時、新聞協会職員だったこと。当時のジャーナリズム界は大騒ぎだったことを語り、同じく共同代表の柴田鉄治氏は、「国家のウソを暴くのがジャーナリズムの努め」と述べました。
マスコミ研究者の松田浩氏は、記者出身者として、密約問題当時、悔しい思いをしたが訴訟の見通しは明るいのではと語りました。
次回の期日は来年1月16日ということです。