JCJ機関紙「ジャーナリスト」10年1月号から「沖縄リポート」を転載します。
基地の呪縛は解けるのか
激戦の名護市市長選
浦島悦子
この原稿が掲載される頃には結果が判明していると思うが、わが名護市は今、市や市民の未来だけでなく沖縄全体、ひいては日本の未来をも左右する市長選挙(1月24日投開票)のまっただ中にある。13年間も市民を翻弄してきた基地問題を終わらせ、市の財政を破綻させた基地がらみの利権を断ち切って、市民本位の市政を実現しようと立ち上がった新人・稲嶺進氏と、米軍基地を受け入れ、ゼネコンとつながる利権まみれの市政を今後も継続していこうとする現職・島袋吉和氏との一騎打ちだ。
今回の選挙の特徴は、前回選挙で島袋氏を支えた市議のうち6人が稲嶺陣営の先頭に立ち、それに中道・革新系市議が加わって26人の市議中14人が稲嶺氏を支えていること。
民主・社民・国民新・沖縄社大・共産の各政党、労働組合や多くの市民団体、また、ゼネコン支配下では生き延びられないことを痛感した中小・零細企業など産業界の一部も含めて幅広い支持を得ていることに危機感を強める島袋陣営は、なりふり構わぬ「選挙戦術」で必死の追い上げを計っている。
その采配を振るっているのは、1997年12月の名護市民投票時の市長で、投票で示された「基地ノー」の市民意思を踏みにじって基地受け入れを表明、辞任した比嘉鉄也氏だ。
彼は辞任後も、ゼネコンと「太いパイプ」を持つ「陰の市長」として名護市政を牛耳ってきた。島袋現市長は比嘉氏の「操り人形」と揶揄され、稲嶺後援会幹部は「今回の選挙の最大の目的は名護市を操る黒幕を切ることだ」と語る。
政治・経済を含めた基地の呪縛を解き、市政を市民の手に取り戻すために私たちは日夜奮闘中だ。