DailyJCJに先に掲載した「ジャーナリスト」12月号のインタビュー。
世論調査が専門の石川旺上智大学名誉教授の話です。
電話世論調査が動かす「選挙の動向」=石川旺氏に聞く
――マスメディアの世論調査が増えたのは何故でしょうか。
昔は面接をして調査しました。その後、電話で調査するようになり、今はコン ピューターでランダムに数字を発生させて電話をかけるRDD(ランダムデジットダ イアル)という方法です。これにより、調査がそれまでと比べて格段に簡便になりました。
ただRDDは調査対象を選び出す手法としては非常に疑問です。
ランダムサンプリングでは確率の偏りが計算できますが、RDDでランダムなのは 電話番号を選ぶ過程だけです。調査対象はその番号に電話をかけてたまたま答えてく れた人です。その偏りは計算できません。
電話をかけても拒否する人もいる。RDDでは、答えてくれた人がある一定数に なったら打ち切ります。熟慮した人ではなく、暇があって気楽に答えてくれる人を集 めていることになります。
質問の仕方でも差が出ます。政党支持率の調査で、「維新の会」の支持率が朝日新 聞は4%、読売新聞13%、共同通信14%という結果が出ました。朝日は「どこを 支持しますか」とだけ聞きますが、読売や共同はその後に政党名を読み上げます。そ の結果「維新の会」の数字が上がったと考えられます。
また質問文によっても差が出ます。一般的に「内閣を支持しますか」の前に、「首 相は内閣を改造しました」という文章が付け加わると支持率が高くなる傾向があります。
前の調査と比較するためには、質問は同じ文章が望ましいと思います。そうはいっ てもいろいろと問題はありますが、これから先に昔のような面接調査はできないでしょう。都市部では訪ねて行っても会えないことが多い。面接調査は手間も時間もか かる上に、回答が半分もとれない。それでは調査の精度も落ちます。RDDは方法的 に問題がありますが、これを使うしかありません。
(以下略)