紙面の都合もあって機関紙にはJCJ賞選考委員が賞を手渡したあとにスピーチする「寸評」は載せられません。テープを聴いたら、どの選考委員もなかなか大事なことをおっしゃっていたので、ここに掲載しておきます。
〈書籍〉『「改憲」の系譜/9条と日米同盟の現場』 で受賞した共同通信社憲法取材班に贈る柴田鉄治JCJ賞選考委員の言葉です。
日本の社会はおかしな方向に向かっている。それに対して日本のマスメディアは何故ストップをかけないのか。チェック機能を発揮しないのかと日夜切歯扼腕しているが、JCJ賞の選考中は心が安らかだ。まだ日本のメディアにかかわって頑張っている人がこんなにいるんだと感じさせられるからだ。
東京に住んでいると共同通信の活動を目にする機会が少ない。JCJ賞に推薦されるものを見ていると本当にすばらしい。その中で共同通信の活動もなかなか目にできなかったもの。改憲の系譜という本になったものを読んで素晴らしいと思った。
この前の自民党の歴史的惨敗に終わった参院選結果、全てのメディアの分析は、出口調査にしろ世論調査にしろ、与党の敗因を、年金とか政治とカネであるとか「絆創膏大臣」であるとかいっている。わたしはそうじゃないのではないかかと思っている。憲法9条を変えたいと言う安倍政権が目指すものについてNOを突きつけたのではないか。調査の結果には現れていないが、実際はそうだったとわたしなりには確信を持っている。
それは、改憲を熱心にすすめている読売新聞の世論調査でも改憲に対する国民の意識は、「9条2項を変えるな」という強い方向が現れている。集団的自衛権解釈も変えなくてもいいんだという国民世論調査の結果が出ている。
それと重ね合わせると、安倍政権の進めることに「ちょっと待て」という国民意思が選挙結果に表れた。その前に3年にわたって続けてきた共同通信の憲法9条の「改憲の系譜」。非常にわかりやすく素晴らしい文章で、いろいろな地方紙を通じて多くの人の目にふれたことが大きな役割を果たしたのではないかと改めて感じた。共同通信の素晴らしい仕事に賛辞を贈りたい。