7月16日のバウネットジャパンのシンポジウムから各氏の発言。
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被害者の尊厳回復を
パネリスト発言
西野瑠美子氏
この3月に、12年間続いた「国民基金」が解散した。先ごろドイツ文化センターで開かれたシンポジウムで和田春樹氏は「国民基金は謝罪だった」と話されたが、「謝罪」とは被害者の尊厳回復のプロセスの通路であらねばならない。その意味で、国民基金は社会の意識を変えることも、被害者の癒しにもならなかった。
東澤靖氏
国際人権法の侵害と被害者救済の基本原則とガイドラインが2005年の国連総会決議で定められた。そこに公の謝罪や賠償が書かれている。
アメリカ下院の決議は内政干渉とか大国アメリカが言ったと捉えるのは間違い。「アメリカでさえ言った」というべきだ。アブグレイブやグアンタナモでアメリカがやっていることをやめろという市民社会、国際社会がいうのは当然だ。
鵜飼哲氏
フランスは、植民地主義時代の清算をできなかった。数年来ビシー政権の対ドイツ協力を告発してきたが、もういい加減にしろという意識が出てきて、それが追い風になったのがサルコジ新大統領だ。ただサルコジはフランスで初めて新自由主義を唱えた点で、国民連合のルペンとは違う。フランスの左翼はそこをよみ間違えた。
金富子氏
韓国の朴裕河氏の『和解のために』では、「日本人だけでなく韓国人も悪いことをした。業者だって朝鮮人もいた」という言い方をしている。兵士と「慰安婦」は同じ戦争の被害者とみることで、兵士を救い出し「日本」を救い出している。それは身売りとか業者とかを植民地支配の歯車としてみる観点がないからだ。
日本社会の植民地支配に関する認識は侵略戦争に対する認識よりも弱いので、朴氏の議論が受けいれられる。
歴史を修正しようとする「和解」には抵抗しなければと思う。