10月号から、梅林宏道さんの記事の後半部分を再録します。NGOの方が、その問題に対する蓄積もあるから、マスメディアはNGOの発信を使えばいいし、市民ではできない当局者へのインタビューなどで力を発揮すればいい、という梅林さんの発言はもっともです。各々の特性を生かすことが大切なのでしょう。その前提として、発表を鵜呑みにして、突っ込んだインタビューができないマスメディアであっては困りますが。
ほとんどが非開示の情報公開
ところでピースデポではテロ特措法に関して日米の情報公開法を使って調査し、照合できるケースとして取り組んだ。しかし日本の情報は非開示であって、照合のしようがなかった。
インド洋に展開する自衛艦の航泊日誌の公開を求めたところ、最初は出航と帰還の日時や港名まで墨塗りだった。こうした情報は防衛白書や新聞で公知の事実であるにもかかわらずである。
異議を申し立て、対応する米軍資料をつけて公開を要求したが、結局前記のような公知の情報以外ほとんどが非開示である状況は変わらなかった。
現在の内部規定によれば航泊日誌は4年の保存義務しかない。
テロ特措法による給油は、現憲法下で初の自衛隊による海外での戦闘支援活動である。将来、 歴史家が検証するためにも一次資料は永久保存され公開される必要がある。
今回のようなNGOの調査に関してマスメディアと比較する議論があるが、余り的を射ていない。長期にわたる調査に関してはNGOの方が関心の集中が可能だし、蓄積もできる。一方、ジャーナリストは当事者にインタビューしたり、現場取材するなど、市民では出来ない力をもっている。
日本では私たちのような調査・分析NGOの社会基盤は弱い。それを改善する社会意識の高まりが重要だ。(談)