「ジャーナリスト」08年2月号から転載します。
日経 相次ぐ広告掲載拒否
広告減収に悩む中、なぜ
広告減収に悪戦苦闘しながら、相次ぐ掲載拒否はなぜ?―日経内外で訝る声が渦巻いている。
新聞業界でトップクラスの好業績を誇ってきた日経が広告収入減に苦しんでいる。元広告部員(解雇・有罪)のインサイダー取引を機に、東京電力、三菱商事など有力企業が法定公告掲載を相次ぎ取り止め、電子公告に切り換えたことが響いた。これまで法定公告は、ほぼ日経が独占してきたからだ。広告部門全体で年間50億~70億円(07年)減収と推定される。
日経としては喉から手が出るほど、広告が欲しい状況のはずが、07年11月半ば掲載予定「トヨタの闇」(ビジネス社)の書籍広告を日経が掲載を拒否した。扱いは関連会社の日本経済広告社だというが、日経本社の大スポンサーへのおもねりではないのか?
掲載拒否といえば、大塚将司著「新聞の時代錯誤」(東洋経済)の書籍広告(07年2月19日)も、校正ゲラ確認済み、掲載寸前で掲載拒否となった。
「週刊現代」(講談社)は「前代未聞、日経社長解任クーデター」(03年2月15日号)の“黒インク塗りつぶし”事件以来、5年近く掲載拒否が続いている。
広告倫理綱領、日経の広告掲載基準に照らしてどこが抵触するのか?―
「中正公平」を社是に掲げる日経は読者と社員に公表し、説明すべきではないだろうか。
(日経OB)
東洋経済Web
新聞の時代錯誤