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8月2日はJCJ賞贈賞式です。
機関紙『ジャーナリスト』7月号のJCJ賞決定の記事を掲載します。 大賞は朝日「新聞と戦争」 記者集団、自らの「負」に取組む 本年度JCJ賞、黒田清JCJ新人賞は、選考委員会=写真=で左表のように決定した。 例年よりも2週間早い選考会だが、7月5日、JCJ事務所に選考委員6人全員が集まった。創設以来50回目になる今年(昨年「50回」としたのを訂正)は総計133点と史上最多の応募・推薦があった旨の報告の後、会議に入った。 黒田清JCJ新人賞の審議から始まった。とはいえ今回推薦委が推した作品は前例のない1点だけ。『あの戦争から遠く離れて/私につながる歴史をたどる旅』は3月中旬、出版の枠で送られてきた。主題、内容の充実に驚くとともに、作者の年齢(発行時32歳)や、初の著作であることなど、まさに新人賞枠にふさわしい。 版元に連絡して枠の変更を勧めたところ、作者も同意して、変更に応じた。その際、大宅壮一ノンフィクション賞でノミネートされていることを知った。3週間後、大宅賞受賞。新人賞規定には他賞受賞作を排除する条項はないので、選考委・推薦委の了解でそのまま残した。 むろん、他にも有力候補の出現を期待したが、それはなかった。推薦委としては、「自信を持って推薦できるものだけを」を合意点として1点推薦とした。選考委では全員が高い評価をし、「読みながら涙が出た」と告白する委員もいた。(その後、7月11日に講談社ノンフィクション賞を受賞した) 不可欠の教訓詰まった大作 『新聞と戦争』は昨年4月、朝日新聞連載開始の頃から「来年の本命」と予想する声があった。 新聞などメディアの戦争責任究明は、当然戦後言論界の最大のテーマの一つであったはずだが、これまでは研究者かメディアOBによるものはあっても、現役の記者集団が組織的に自社の歴史の負の部分に取り組むことはなかった。 「事実とデータ」「客観描写」「感情移入を排する」ことを取材方針とし、「もし自分がその場にいたら」と自省しながら書くことも忘れなかったという。明日のジャーナリズムに不可欠な教訓がつまった大作が、戦後六十数年目、改憲の風の吹く中で生まれた。「大賞」を贈ることに選考委員の間に異議はなかった。 なぜ未開の砂丘地に原発が 昨年7月の中越沖地震は東電の柏崎刈羽原発を直撃した。東電や政府当局の想定の甘さ、見落とされ、封印されていた危険な断層。当初多くのメディアが取り組んだが、地元紙である新潟日報は、そもそもなぜ未開の砂丘地に原発がという原点の問題をほぼ1年間にわたって掘り下げた。 新たな「田中角栄金脈」をスクープするなど、安全を二の次にする政治権力や経済利益追求の姿を明らかにした。『揺らぐ安全神話・柏崎刈羽原発』は多くの賛同で入選が決まった。 NHKスペシャル『セーフティーネット・クライシス/日本の社会保障が危ない』は、ここ数年NHKを含む諸メディアが扱ってきた雇用や社会保障の破綻、矛盾の問題を総集していた。 それぞれの現場の実態をリアルに伝えるとともに、スタジオの識者の歯切れのよい指摘を結びつけて、行き詰まり状況からの方向転換をも示唆した。相当に腹をくくった制作姿勢であり、選考委員の評価も高かった。 重いテーマを臨場的に訴え 森達也氏の『死刑/人は人を殺せる。でも人は、救いたいとも思う。』は、重いテーマを映像制作的な手法もまじえながら、臨場的に訴えたノンフィクション作品だ。 死刑廃止、存置両論がしきりだが、一方に傾斜した主張ではない。作者は凶悪な犯罪もそれに対応する法律や政治も、ともに一般市民が呼吸する同じ空気の中で存在しているのですよ、と言いたいようだ。 とりわけ裁判員制度の発足を控え、一人ひとりが究極の「罪と罰」を考えるための好著であるという評価で一致した。 今年の入選作の特徴は、批判や追及の方向が自身にも向いていることである。他を批判するだけではなく、自省の裏づけがあることで作品が高い信頼性を獲得している。紙一重の差で入選に至らなかった多くの候補作にもそれはいえる。 (亀井淳・推薦委員会)
by ywatari4
| 2008-07-31 13:39
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