『ジャーナリスト』08年9月号から。
沖縄リポート
基地がらみ土建利権臭う
名護市の小学校統廃合
私の住む名護市東海岸の「二見以北十区」と呼ばれる地域に、四つの小学校がある。そのうちの3校が今年度で廃校になることがほぼ確実となった。
過疎につけ込んで普天間基地代替施設建設のターゲットとされてきた二見以北には、この10年間、基地を受け入れさせるための「地域振興補助金」が注ぎ込まれ、ハコモノが次々に建てられたが、過疎化には歯止めがかからず、四つの小学校の1校あたり生徒数は、どこも1~2桁だ。2年ほど前から統合問題が取り沙汰されていたが、5月末に名護市教育委員会が行った全体説明会なるものに出席して驚いた。
市教委の計画は、来年度から4校を1校に暫定統合し、3年後には、中学校に隣接する新設校に移って小中一貫教育をめざす、というもの。市教委によれば、今回の説明会は、これまで各集落単位で行ってきた説明会の総まとめで、説明責任はこれで果たしたと言う。
しかし、既に方針を決めてから行われた集落での説明会は、どんな反論が出ようと結論ありきで、回数を重ねれば重ねるほど、何を言っても無駄というあきらめ感を植え付けただけだった。 学校は現在そこに通う子どもや親だけのものではなく、地域にとっても重要な存在だ。特に過疎地において学校は地域の要であり、学校がなくなれば過疎化が加速する。
納得できない私たち地域有志は、議論の継続を求めて市の6月議会に統合見直しの陳情書を提出。委員会で意見陳述も行い、陳情は継続審議になったが、その間にも住民の頭越しに統合へ向けた作業が進んでいる。「子どもたちのために教育環境をよくする」と称して、まだ使える学校施設を四つも廃棄して新設校を作る計画の背後に、基地がらみの土建利権の臭いを感じずにはいられない。
来年度の暫定統合はもはや止められそうにないので、9月議会に差し替えの陳情書を出した。統合に納得はできないが、それが避けられないのなら、税金の無駄遣いである新設ではなく、歴史ある地域の既設校に(暫定でなく)統合し、その上で整備・充実を図って欲しいという内容だ。陳情はこれから審議される。
浦島悦子(フリーライター、沖縄やんばる在住)